書道展を終えて 矢野きよ実より

Posted in Diary,Information by yano kiyomi on 9月 19th, 2011

今年の書道展会場にはたくさんのあたたかな涙が零れました。

書道展に来てくださったみなさんに「逢えた」奇蹟
震災後、被災地で出逢い、つながっていくことのできる奇蹟
同じ時代を、同じ時間を、同じ場所で
優しさ・喜び・そして悲しみを感じられることに心から感謝して
今回の書道展を開催させていただき 6日間の
ほんとうにあたたかな出逢いに心から感謝と感動の気持ちでいっぱいです。

震災から一ヶ月、私は募金活動からのご縁で日本赤十字医療救護班のみなさんと
壊滅的な被害をうけた宮城県石巻市雄勝町にいました。
報道は点に過ぎない・・神はいるのだろうか・・・
一瞬の判断がこれほどまでに人の生き死を変えるのか・・と心から思いました。

「雄勝町」は日本のシェア90%の硯の町です。
みなさんが子供の頃から使っている黒い硯が雄勝町の硯です
その硯たちが私の足元で叫び声をあげていました。
「硯との出逢いの奇蹟」
硯協会の澤村理事長とも奇蹟的に避難所で出逢い、ガレキの中の硯をいただきました。

被災地から出てきてくれた硯でかいた書80点は、みなさんと同じ気持ちを書にしました。

最近は被災地のみなさんから、3月11日の極限の辛さと悲しみをたくさん聞きます。
でも私たちは簡単には「わかります」とはいえません。

被災地のみなさんは別れ際にこう呟きます

「名古屋のみなさんも元気でいてね、でもねこの震災の悲劇を忘れないで・・」と
そして「想っていてね・・」と
どんなに離れていても「想っていれば相手はよくなる・・」
私はいつもそう信じて生きてきました。

今回の書道展のテーマは「忘れない」「想」でした

雄勝の小学校の先生方から「子供たちと書をかいてください」とお手紙をいただきました
被災地の子供たちと書きました。
被災地の子供たちの「心の音」をたくさんの人に見ていただき
あたたかな涙が零れました
10月には陸前高田の子供たちと書をかきます
心の中にある口では言えない子持ちは白い紙の上では話せます。
子供たちの「心の音」をこれからも聞いていきたいと思います。
一緒にボランティアで被災地に行ける方はご一報くださいね。

出逢える今日の奇蹟に今日も感謝して
みなさん、一緒に元気で生きていきましょうね。
そして今日も 被災地の子供たちやみなさんのことを想って
「忘れない・・・」
みなさんの優しさを・・いつも・・・ずっと・・

矢野きよ実