天国の明日香ちゃんからのメッセージ・・・

Posted in Diary,Information by yano kiyomi on 7月 6th, 2014

2012年9月体育の授業中に小学校6年生の桐田明日香ちゃんは倒れました
保健室に運ばれ11分後に救急救命士の方が到着した時には明日香ちゃんの心臓は止まっていました。病院に運ばれお母さんは明日香ちゃんに語りかけました
明日香ちゃんは涙をこぼし返事をして天国に旅立ちました
小学校の保健室にはAEDが置いてありました
でも誰もそのAEDをつかいませんでした

私たち市民がAEDを使えるようになってから今年の7月に10年目になります
それまでは救急救命士・医療従事者の方しか使えませんでした
この地方では2005年の愛知万博で5人のうち4人の方がAEDで救われました

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  AEDを日本に広めた偉大なる野口教授   河村市長はいつも子どもたちの話をしてくださいます

AEDは日本中で見かけるようになりました。でも使い方を知らない人・使うことが怖い人がたくさんいます。大切な人の命を間違って使ったら・・
そう思うのは当たり前です
でもAEDは「今ここで倒れた人に電気ショックを与えたほうがいいかどうかを教えてくれる診断機能のある機械でもあります。だからもしもの時は救急車を呼び直ぐに胸骨圧迫マッサージを行いそしてAEDが来たら迷わず使う。」救急車が到着するまでの数分間で目の前の命が救われます。
それは1秒でも早い命のリレーで救われます

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会場ではAEDの講習も行われました。胸骨圧迫は力がいります

私たちの国、日本は2011年の3月11日に東日本大震災が起き原発が起き大切な命が失われました。
私はその被災地にいた子どもたちの心の叫びを今も聞いています
「命」「生きる」「100年行きたい」「生きてやる」
「そんなもののために生まれたんじゃない」
子どもたちは生きることの大切さを心の底からわかっています

そんな子どもたちに小学校の教育から心肺蘇生法を学ぼうというフォーラムが開かれました。その会場には尊い命を亡くした明日香ちゃんのお母さん、万博会場で助かった牛田さん、そして多くの医療従事者のみなさん、減らせ突然死の代表石見先生・田中先生、そして前埼玉教育長、なにより名古屋市の下田教育長も来てくださいました
「命を救うのに年齢制限はない」

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明日香ちゃんのお母さんは明日香ちゃんへの想いと子どもたちの大切な命について話してくださいました
そして埼玉教育委員会の前桐淵教育長とASUKAモデルという素晴らしいテキストを作りました

この日みんなで
大人になって教えなくともこれからの小学校で心肺蘇生法教育を取り入れれば
日本中の人々がAEDをあたりまえに使えるようになる
命のリレーがあたりまえにできる日本をさっさと作りたい・・・

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子どもたちもみんなで心肺蘇生法を学びました

7歳の女の子が手を挙げて
「私だけがAEDを知ってるの・・どうして学校でお友達に教えてくれないの」
と話してくれました。みんなが胸を詰まらせました

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今年の4月に地下鉄の高岳駅で倒れた60歳の男性を高校1年の優華ちゃんが他の3名の方とAEDを使って命を救ってくれました
そしてみんなの前に出てきてその時の様子を語ってくれました
みんなの前で高校1年の女の子が話す勇気に感謝です
「怖かったです、私がAEDの釦を押しました、怖かったです、でも小学校の時お母さんとAEDの講習に行っていたので、できました」と語ってくれました

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優華ちゃんは一生懸命みなさんに語ってくれました  女医会のトップ優しい津田先生と優華ちゃんです

「命を救うことに年齢制限はない」
私たち大人が子どもたちに今できることを少しづつ無理なく見せていきたい

2014・7・5
特定営利法人非営利活動法人 愛知万博記念災害・救急医療研究会理事
矢野きよ実