「矢野きよ実の書 vol.4」を終えて

Posted in Diary by mabuuchi on 12月 16th, 2008

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ありがとうございました!
矢野きよ実の書vol.4 終わっちゃいましたね。
6日間は早いなぁ・・松坂屋のオルガン広場は大きいから・・誰も来てくれなかったら
長~く感じるんだろうなぁ・・って2週間ほど眠れませんでした(笑)

一日目、10時開店とともにたくさんの人が来てくださってね、
あっという間にパフォーマンスの時間を向かえました。準備をしてステージに上がると
そこには沢山の人人人・・・がいてくれました。吹き抜けの4階まで。
わぁーっと涙が溢れてきちゃって、初日に泣いてはいかんいかんと、
必死にいつものように喋りました(笑) 何が嬉しいかってね、この書道展は仕事では無いので、一時間喋って帰るというようなイベントとは違ってね、人間の私がそこにいるわけですから、とにかく6日間会場にいて、普段は一方通行になっているみなさんと喋れる!という、私にとってはゴージャスな6日間なのです。

喋りましたー!沢山のみなさんに逢いましたー!そして、みなさんよく泣きましたねぇ。
「私、乳がん手術してきたよ!」「私、今卵巣がん!」
「私なんてねぇ、大腸がん、転移したけど、見てみやぁ元気だよ!」
「矢野さん、去年一緒に来た旦那は死んじゃった!ほいでも来たよ・・・写真持って」
「3年前、娘はこの書道展に来て矢野さんと一緒に話した娘は
乳がんで天国に逝っちゃいました。よ~がんばったんだよ、褒めたって」

こんなふうに私にメッセージが届くのも
鳥越俊太郎さんとの出逢いがあったからですね。
鳥越さんも書道展に来てステージにまで立ってくださいました。

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「娘のお腹に赤ちゃんができた!矢野さん触ったって!・・・」そう言って
お母さん泣いてた、娘は「この親のおかげでさぁ・・」って泣き出した。
いろいろあったんだね、きっと・・・。
見ている周りのみんなも泣き出した。

「僕は全盲です・・覚えていますか・・」ってお手紙が来ました。
「僕の好きな書は、絆の最後の縦の線がスーってのびた書と、雨後の雨のしずくのような点と・・・」目の不自由な彼からの手紙は嬉しかったです。
彼が書を見れたのは
松坂屋の岡田さんがね、彼に一点一点書の前で説明してくれたからです。

今回も、人は人の力で生きていけることをたくさん教えてもらいました。

六日間、10時~20時まで、ほんといろんな人と話せました。
私にとっての力は人と逢って話すことだと実感しています。
今年のテーマは「愛」でした。

簡単なのに単純なのに、奥が深くて 優しいけれどなかなか使えない言葉「愛」です。
「愛」も「ありがとう」も私には書にできる言葉ではありませんでした。
なんだか、恥ずかしくて文字として書く勇気がなかったのかな。
でも、今年は言えました。

今年もたくさんの人に出逢い、何が大切なのかをいっぱい教わり、いっぱい涙して・・

9歳でお星様になった各務宗太郎くん。
日本では受けられない多臓器手術を受けるためにたくさんのみなさんの愛を持って
アメリカに渡り、良いニュースが入るたびに私たちは喜びました。
一ヶ月前、突然のお別れがやってきました。
私たちは宗太郎くんから
たくさんの優しさとがんばりと強さを・・・いっぱいいっぱい教わりました。
それが「愛」だよ・・・ということを。
宗太郎くんが天国へ旅立った日、お母さんからメッセージをいただきました。
最後の言葉は「ママ、ありがとう、ありがとう・・・でした。」と・・・。

「ありがとう」は魔法の言葉ですね。
「ありがとう」が言えちゃう人はすごいです。
なにより、子供たちの「ありがとう」は周りのみんなを笑顔にしてくれる魔法の言葉です。
子供たちも、私たち大人も「ありがとう」が素直に言える毎日がいいです。

恥ずかしくて書けなかった言葉が、とても大切でいとおしいです。
簡単な言葉だからこそ大切にしなきゃ・・と思います。
気がつくのがいつも遅い私ですが(笑)

宗太郎くんのお母さんは二日目に来てくれました。
おお泣きしました。
その時ね、ちょうど泉谷しげるさんが会場に到着!(忙しいのにわざわざ来てくれた!)

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泉谷さんは宗太郎くんのお母さんに「馬鹿やろう・・泣くな・・お前の子供だけどな・・この子は神の子だ・・・みんなにこの子の大切な気持ちを・・お前が伝える役割だぞ・・・」
って、宗太郎くんの写真をお腹にずっとこすって・・・
本当に優しいです。
泉谷さんありがとう。宗太郎くん、宗太郎くんのお母さんありがとう。

虐待にあい、人間嫌いになり鑑別所にまで行かなきゃならなかった中学生の女の子は、
信じることができる大人の愛によって、ゆめに向かって毎日をすごしています。
彼女からの手紙で私もたくさんの「愛」を教わりました。

今年も自分の気持ちを毎日の自分の気持ちを
すべて書にしました。

なにより、毎年たくさんのみなさんが見てくださるからできたのです。
見てくれて本当にありがとう。
みなさんに出逢えてよかった・・・。
書道展をさせてくれて本当にありがとう  ありがとう。

LOVE (愛) 矢野きよ実