陸前高田の子供たちに教えてもらったこと・・・

Posted in Diary,Information by yano kiyomi on 12月 21st, 2011

12月の陸前高田は肌を刺す寒さだった。
名古屋で暮らす私たちとは何もかもが違う
3月11日の震災後、4月から被災地に入り最初にわかったことは
「それでもこの道は繋がっている。」
道の向こうにみんながいる。時差も無い外国でもない日本だ。同じ時間を生きている人々
そして違うのは東北にだけ大きな津波がきた・・・ということ

yonezaki3nen20111200001.jpg                 yonezaki3nen20111200002.jpg

10月の陸前高田で教えてもらったこと
9歳のみんなの心から溢れるようにでてきた言葉の中に
「今が楽しい」「生きてる今を楽しもう」
楽しいという言葉をいっぱい書く女の子

yonezaki3nen20111200003.jpg

ほんとうに怖くてほんとうに辛くて淋しかった何ヶ月間
「今は友達と笑って学校にいるから大好きな友達と一緒にいられるから
今が楽しくて、みんなといられる今日が大切なの・・みんながいるから生きていられるの」

私は何十日も自分の力の弱さ、不甲斐無さの中にいた。

12月3日~6日
1泊4日 1800キロの被災地への道を仲間と走る
「子供たちに逢える・・逢いたい」一緒に行った仲間も同じ気持ちだったと思います。
10月に陸前高田で子供たちと授業をして名古屋に戻ってから私たちは
次の日にでも子供たちの元に行きたかった。
でも私たちが毎日いてもどうなるものでもないということもわかっている

その子供たちに逢える
子供たちは教室で待っていてくれました
みんなから手紙ももらいました
元気でした

yonezaki3nen20111200004.jpg    yonezaki3nen20111200005.jpg

瞳がキラキラひかっていました
マラソン大会で仮設住宅のみなさんにも声援してもらって全員完走できたそうです
学芸会でみんなで一生懸命に舞台に立ったそうです
前に前に進んでいる子供たちは大きな英雄です
嬉しかったものすごく嬉しかったです

今回は小学校3年生の8歳・9歳の子供たちと書をかきました。
副校長先生が体育館に大きなストーブを用意して暖めてくださっていました
陸前高田のみなさんはほんとうにほんとうに温かいです

yonezaki3nen20111200006.jpg    yonezaki3nen20111200007.jpg

3年生の子供たちは「ものすごく元気なんです」と先生方からお聞きしていました
書の授業が始まって
いちばん最初に泣いたのは担任の先生でした
「子供たちがこんなふうに想っていたなんて・・ただ元気なだけだと思っていたけど
今、それがわかってたまらない気持ちです・・・」と
先生はクラス全員の子供たちの名前を書いて最後に「宝物」と書いた
子供たちは先生の書をみて「俺の名前がある!私のも・・先生ありがとう!」と叫んだ
泣き虫先生はまた泣いちゃった。

yonezaki3nen20111200008.jpg

子供たちの心の叫びは大きな叫びでした

yonezaki3nen20111200009.jpg

「つなみにまけない」
私の家は流されたけどたくさんの人が流されて亡くなったけど私は生きているから

yonezaki3nen2011120000a.jpg    yonezaki3nen2011120000b.jpg

「強く生きる」
くじけている自分はいつになっても人が支えてくれないから
強く生きたら友達もいっぱいできるし近所の人も支えてくれるから・・・

yonezaki3nen2011120000c.jpg    yonezaki3nen2011120000d.jpg

「みんな愛してる」
この人は好きこの人は嫌いってないように・・

yonezaki3nen2011120000e.jpg    yonezaki3nen2011120000f.jpg

「家族がいればこわくない」「みんながいたから生きていけた」「すべては命」

yonezaki3nen2011120000g.jpg    yonezaki3nen2011120000h.jpg

「大好き」
きらいな人ができないように・・・

yonezaki3nen2011120000i.jpg    yonezaki3nen2011120000j.jpg

「3月11」
忘れられない津波の日だから・・

yonezaki3nen2011120000k.jpg  yonezaki3nen2011120000l.jpg

「海」
もう一度海で泳ぎたい・・・

yonezaki3nen2011120000m.jpg

「けいとちゃんはやさしかった」

yonezaki3nen2011120000n.jpg    yonezaki3nen2011120000o.jpg

29人の子供たちは400枚以上の言葉をかきました
次から次に言葉は溢れてきました ものすごいスピードで・・・

yonezaki3nen2011120000p.jpg   yonezaki3nen2011120000q.jpg

この日
わかったこと

人の言葉は生きてきた年数ではなく経験からうまれる
私がこの年になってようやくわかった心を
8歳~10歳の子供たちが書にします
どれくらい怖くてどれくらい悲しくて辛かったか
その日を経験していない私たちにはわかりません
こんなにも小さな子供たちの心に9ヶ月もあった心の叫びを
みんなで想わなきゃ
一緒に子供たちの書をみてくださいね

忘れないこと・・・
ぜったいに忘れないこと・・・

2011年12月10日   矢野きよ実