名古屋小児がん基金8周年記念イベント「つながりが紡ぐ未来への物語」

Posted in Diary,Information by yano kiyomi on 8月 13th, 2024

イタリアでの神経芽腫の治療を終えて
久保田ちひろちゃんが元気な姿でステージに登場してくれました!

「医療はすべての子どもたちに平等でありたい」と8年前、
名大名誉教授小島勢二先生は
「一人でも多くの子どもたちを救いたい、
小児がんが将来治る病気となるために…」と
名古屋小児がん基金を立上げました。
毎年、椅子並べから台本作りまで偉大な先生方と
多くのボランティアのみなさんと無敵プロジェクトのみんなで
小児がん基金のイベントを作り上げます。
私は今年も進行役です。

昨年末からの報道でご存じの方もいらっしゃると思いますが……

神経の細胞にできる癌、
神経芽腫と3歳の時に診断され
名古屋大学病院で治療を受け
一時は退院できるほどに回復しましたが、
小学校三年生だった昨年の夏に再発が判明。
たくさんの治療をしたのに再発してしまった久保田ちひろちゃん。
ちひろちゃんは、今の日本で神経にできた癌、神経芽腫の再発には
日本では治療の手立てがないと診断されました。
そんな時にちひろちゃんのお父さんはイタリアの病院で
カーティ療法で27人のうち17人に効果があったと発表を見て!名大病院
高橋先生にこの治療はできないかと相談されました!
待ってましたとばかりに高橋先生は小児がん基金の小島理事長相談され、
ローマで治療を行うには手付金が必要であり、
そこを小児がん基金がサポートしました。
さらに高額なお金がかかります。
クラウドファンディングでお金が集まり、今年、ローマの小児病院へ
日本人として初めてカーティ療法を
受け、高熱が続いり頭もお腹も痛くなり副作用もありましたが
4ヶ月ぶりにちひろちゃんは日本に帰って来ました。
お母さんは夢が現実かわからないと…今では癌が確認できないほどに!
ステージに上がるちひろちゃんは
キラキラして可愛くてたくさんの質問に答えてくれました。
この日、メ〜テレのドキュメンタリー取材や
中日新聞、朝日新聞の取材、そしてたくさんの支援者のみなさん…
会場はあたたかな優しい想いで包まれました。

今年も小島先生の1年間の報告で涙が溢れました。

そして、新しい次世代シーケンサーで
たくさんの命を救ってくれている村松秀樹先生、
そして、8年前はアメリカに渡らなければ受けられなかったカーティ療法が、
今では日本でも、またタイ、ベトナムなどの子どもたちも
救われているんです。
先生方の想いが世界中の子どもたちの命を救っているのです。
副病院長、小児科教授の高橋先生からのカーティ療法とちひろちゃんのお話、
また多忙な高橋先生が子どもたちを救う姿に感動します。

2部は神経芽腫で治療をして
今はシンガーソングライターとして活躍している谷山健太郎さんの歌と
AYA世代(15〜39歳の小児がん、血液、腫瘍の経験者)のみなさんの
韓国へ行かれた交流会の報告など…盛りだくさんでした。
名大病院に入院経験のみんなでクロワッサンスという団体を立ち上げ、
大人になってもつらい病気や、就職、結婚のことなども話し合い
交流会を行っています。

全ては……10年前、
名古屋でゆめちゃんという女の子が白血病が再発して
アメリカの1億5千万の最新治療ならば助かる。
瞬く間に集まった募金で、さぁ行こうとした時に、
アメリカからの勝手な事情で行くことができず、
ゆめちゃんの尊い命は天に召されました。
その悔しさから名大の小島名誉教授が、小児がん基金を立ち上げ、
そしてみなさんからの寄付で研究・治療が行われ、
ゆめちゃんが受けられなかったカーティ療法という最新の免疫治療法が
名大病院で開発されたのです。
「自分達で作れば安価で子どもたちの命を救うことができる!」
研究に携わっている医師・技師・看護師の中には
小児がんだった先生もいらっしゃいます。
私はお手伝いをして8年、
毎年、子どもたちに寄り添う
素晴らしい医療の力と、何より先生方はじめ医療従事者のみなさま、
支援者のみなさんとの優しい繋がりに感動です。
「つながりが紡ぐ未来の物語」
ずっと、みんなの命が守られますように……
矢野きよ実