一生懸命

Posted in Diary,Information by yano kiyomi on 7月 5th, 2023

「一生懸命」
10年前、手術をして退院した後に
書いた書は一生懸命でした。

そしてその年
2013年の秋の書道展前に
こんなメッセージを書いていました。

私にできることは
「一生懸命生きること」

今年(2013)の7月 肺腺癌が見つかりました
できた場所が悪く緊急に手術、
肺の3分の2の癌は取り除いていただきました

被災地の子どもたちから
「先生、また一緒に書をかきたい」
「先生、生きてけれ……」と
尊いメッセージをもらいました

初めは怖くなかったのに、
「死」と「癌」という言葉は
毎日頭から離れなくなりました
母にも誰にも告げずに・・と思い悩みましたが、
どうしても仕事にご迷惑をかけてしまうことから
止むを得ず発表することで
みなさんにもご心配をおかけしてしまいました

「俺たちだって怖かったんだ!」
と叫んでくれた家族
毎日笑って手を握ってくれた師匠と友
「無敵」の言葉と文字をたくさんくださったみなさん
みなさんのメッセージに励まされ「私は今、生きている」と
生きることの喜びと重さを心の底から感じました

あとどれくらい一緒にいられるのかな…

実は手術後に右手麻痺が起き
「書はかけないかも・・」と宣告がありました
落ち込んでいる時「今年も書道展をやりますよ!」と
松坂屋のみなさんから病院に連絡が入りました
次の日から50日間、注射と薬とリハビリを始める勇気をもらったのです

私の人生「もういっぺん」始まります
予期せぬ試練はなかなかだなぁ・・と自分でも少し呆れます(笑)

こんな私に
今できることは「 一生懸命生きること」
逢えて嬉しい・・・
ほんとうに嬉しい・・・

矢野きよ実

一日一日を大切に生きます。

これはその年に
親友Double Dutch川島哲くんが
作ってくれたファイルのデザインです。
Special thanks