たまらなく嬉しい日

Posted in Diary,Information by yano kiyomi on 4月 3rd, 2024

「陸前高田米崎小学校の彬人です…」
入口に立った美しい青年。
初めはあまりに驚いて近づいて行けないほどで…
素晴らしく成長された彬人くんの姿に感動して嬉しくて嬉しくて……

初めての出逢いは2011年10月10日、
震災から7か月経った陸前高田の米崎小学校体育館でした。
心にいっぱいの悲しい想いを抱えたみんなに逢いました
一緒に心の音を聞きました
たくさんの子どもたちが大切な人を亡くしていました
子どもたちはみんなで今を生きていて
優しくて優しくて優しくて・・

「心の中に今あることを書こうね」と私が一言だけ言って書き始めました
小さなカラダで震災後に頑張っている子どもたちの心を想い、
一生懸命書き続ける2時間の授業で500枚以上の心の声を聞きました
一人一人の言葉にはすべて意味があります。
4年生の彬人くんの書いた「命」の書は
文科省の大臣がポスターにしてニュースでも話されました。

その後何度も陸前高田に通い逢いました。

私が癌になった時も
みんなに助けてもらいました。
報道されてしまったので陸前高田にも届いてしまい……
そしたら大きな宝箱に子どもたちがもいでくれた
ふぞろいのリンゴがいっぱい入っていて…
「先生これ食べて元気になってけれ・・」何度も手紙をもらいました。
「生きなきゃ!何としても元気になって陸前高田に行きたい!」

子どもたちの卒業式には
校長先生・保護者のみなさんから
「卒業式にきよ実先生の書を胸に卒業したいのです・・」と
連絡をいただきました。
私のようなものに書かせてくださること・・涙が止まりませんでした。
一人一人の名前とメッセージを添えて…一生懸命書きました。

卒業式の日
みんなから尊い手紙が届きました

被災地の代表として文科省の大臣に呼ばれて、
彬人くんと泰くんと校長先生と文科省にも行きましたね。
そしてみんなの書も展示されました。

2人は「震災で多くの人が亡くなったから命が大切と思って書きました」と
文部科学大臣に話しました。

陸前高田から名古屋に帰る時
「先生ありがとう!」といつも抱きしめてもらいました。
みんなの小さな手の感触を今も忘れていません。
見えなくなるまで手を振って、車を追っかけてきて……
私たちはずっと涙がとまりませんでした。

一日も、一日たりとも子どもたちのあの日の表情と心の音は忘れていません。
今も毎朝、みんなの顔を浮かべて
「どうか今日もいい日になりますように…」と手を合わせます。
その想いを浮かべていた彬人くんが
大きくなって目の前にいるのです。

こんなにも素晴らしいご褒美をいただけることに心から感謝です。
あの日一緒に行った無敵プロジェクトのマブーチも田島ちゃんも涙です。

彬人くんが「泰くんと電話できます」と話させてくれました。
たまらない最高の時間です。

彬人くん、泰くん、お母さんありがとうございます。