逢いたい・・陸前高田の子供たち

Posted in Diary,Information by yano kiyomi on 10月 16th, 2011

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ものすごく力強い文字で「父」と書いた男の子は
「父ちゃん津波で流された」と呟いた

半紙いっぱいに「今」と書いた子はお母さんがいなくなった

お母さんが未だ行方不明の男の子は「友」と書いた

「ひとりにしないで」と小さな女の子は書いた

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「泣きたければ泣く 笑いたければ笑う」「泣」「めいっぱい笑え」・・・・
次から次に言葉を白い紙に書きまくった女の子は
4人兄妹の末っ子でお母さんがいなくなった
彼女はこういった
「自分の中から悪い気持ちが出てくるの、それに勝つのが無敵でしょ」と

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小さな身体から
たくさんの心の音がでてきた。

校長先生も大人たちも泣いた

でも私たちは泣けない、泣いてはいけない・・・

陸前高田の子供たちは陸前高田が大好きだ
みんなが「一本松」と大切に大切に書にした。

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みんなが「命」と書いた
「生きる」と書いた
「家族」と書いた

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「友達がいる」と書いた
「一人じゃないみんないるよ」と書いた
「負けない」「信じる」「海」「家」「流れる」・・・

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7ヶ月経った
10月11日
そのことを話せずに心にもっていた
9歳・10歳の子供たち
校長先生は「未だ 震災のことに一度もふれられないんです」と何度も話された
子供たちの心の音をはじめて聞いて大人たちは泣いた

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大人たちも心にたくさんの涙をもっています。
子供たちと同じ心の大人たちが
震災のあの日を振り返られない・・・

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被災者ではない私たちは
とにかく元気でいなきゃ
そして行かなきゃ

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子供たちは見えなくなるまで手を振ってくれた
「先生ありがとう!」と抱きしめてもらった
みんなの小さな手の感触を忘れない

「父」と書いた男の子は
私にその「父」の書を渡してくれた
「父ちゃんみんなに見せていいの?」と聞くと「うん。」と優しく優しく笑った。

彼の顔が 心にずっと一緒にいます
みんなの笑顔がはなれない

帰り道
もう一度
一本松の前に行って手をあわせた
みんなを守ってくださいと・・・

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どうかお願いします。

矢野きよ実
2011年10月12日